はりたて (鍼立) の ひとりごと…
こちらのブログでは日々の出来事から、治療のこと、季節の養生法など…思い付くままに書いていきたいと思います。 よかったらお付き合いください。
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すずめの術
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三焦あれこれ②
腑が六つ有るのは、三焦があるからです。原気の別で有り、諸気を主持す。名有りて形無く、その経は手の少陽に属す。これ外府なり。
臍下の腎間の動気(丹田)は人の生命なり。十二経の根本なり。故に名を原(気)と曰う。三焦とは原気の別使なり(原気を輸送する使者)。三気の通行を主り、五臓六腑を経歴す。原とは三焦の尊号なり。故に(三焦の気が)止まる所を輙(すなわち)原(穴)と為す。
諸々の十二経脈は、皆な生気の原に係る。所謂、生気の原とは、十二経の根本を謂う。腎間動気を謂う。これ五蔵六府の本、十二経脈の根、呼吸の門、三焦の原、一名守邪の神。故に気は人の根本也。根が絶するときは則ち茎葉は枯れる。寸口脈の平にして死する者は生気が独り内に於いて絶する。
「『難経』第三十八難の記載やさらにそれを拡大させた『中蔵経』などは、人体のあらゆる気は三焦が総領することを主張するが、これを三焦の機能とするならば、三焦はすべての臓腑の機能を統括していることになってしまう。三焦はあくまで六腑の一つである。」 122ページ
「『霊枢』経脈篇では、陰の経脈には関係する蔵の名が冠され、陽の経脈には府の名が冠されています。 ~中略~ ところが、これには少し問題があります。 ~中略~ 手の陽の経脈の病症の中には、府と関わるものが全く出てこないからです。 ~中略~ 陰の経脈と蔵の関係以外は、眉に唾をつけておいたほうがよさそうです。」 56ページ
営衛と両焦三焦概念の変遷についての考察 日本内経医学会 林孝信
https://dl.ndl.go.jp/view/prepareDownload?itemId=info%3Andljp%2Fpid%2F11497722&contentNo=1
『素問』『霊枢』における三焦概念の変遷 日本内経医学会 林孝信
http://jshm.or.jp/journal/56-2/56-2_226.pdf
公益社団法人 大阪鍼灸師会HP 素問霊枢報告 篠原孝市
中国医学の身体論 古典から紐解く形体 浅川要 東洋学術出版社 2022年
改訂版 いちばんわかる 東洋医学のきほん帳 伊藤剛著 Gakken 2024年
2025年11月15日土曜日
三焦あれこれ①
三焦は五蔵六府の六府(胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦)にあります。
五蔵にある心包も含めてこれが何かは現在も諸説あります。
改訂版 いちばんわかる 東洋医学のきほん帳 伊藤剛著 Gakken 2024年
「心包は壇中とも呼ばれることから、心嚢や胸膜の一部のようなもの、三焦は膵臓機能などの内分泌機能を合わせたものと推測されています。」 34ページ
「しかしどちらも現実にある内臓をはっきりと特定できるものではなく、ある意味では数を「六」にするためにつくられた機能を表す用語とも考えられます。」 34ページ
五蔵六府に含まれていない膵臓が三焦にあたるのではないかという説があります。
またリンパや腹膜説などもあるようです。
さらにそ、そもそも数合わせ(六臓六腑)のために創られたのではという説もあります。
下記の参考文献をもとに古典である黄帝内経(素問・霊枢)から三焦の変遷についてまとめました。
変遷
①「三焦膀胱」と言う単独の泌尿器。三焦(収縮・出す)膀胱(膨張・貯める)。
②「膀胱」と「三焦」に分離。膀胱に属す。
⑤機能の不明確な名称だけの蔵府に。難経から。
〇十二経脈の三焦は十二蔵府のひとつとされるが泌尿器に関する病証がない。
①腎は三焦膀胱に合す。三焦膀胱は外で腠理毫毛の応。 霊枢・本蔵
肺は大腸、心は小腸、肝は胆、脾は胃、腎は三焦膀胱に合すとなっています(五蔵五府)。
②少陽(太素、甲乙経では少陰)は腎に属し腎は肺に上で連なる。故に両蔵をひきいる。三焦なる者は中瀆(夬瀆)の府、水道ここより出づ。膀胱に属す。是れ孤の府なり。 霊枢・本輸
②三焦なる者は決瀆の官、水道ここより出づ。 素問・霊蘭秘典論
五蔵六府の壇中(心包)が加わり各々の働きについて説明されています。膀胱は津液を蔵す、気化すれば則ち能く出ず、三焦は水道ここより出ずとなっています(六蔵六府)。
③下焦、溢るれば水(水腫)をなす、膀胱利せざれば癃(小便不通)をなし、約せざれば遺尿をなす 素問・宣明五気篇
③三焦は気を出して、肌肉を温め、皮膚を充し、其の津(陽・衛気)となす。その流まりて(溜まって)いかざる者は液(陰・営気)という。 霊枢・五癃津液別
よくわかる黄帝内経の基本としくみ 左合昌美著 秀和システム 2008年
営衛と両焦三焦概念の変遷についての考察 日本内経医学会 林孝信
https://dl.ndl.go.jp/view/prepareDownload?itemId=info%3Andljp%2Fpid%2F11497722&contentNo=1
『素問』『霊枢』における三焦概念の変遷 日本内経医学会 林孝信
http://jshm.or.jp/journal/56-2/56-2_226.pdf
人体で繰り広げられる表裏の関係 篠原孝市公益社団法人 大阪鍼灸師会HP 素問霊枢報告 篠原孝市
中国医学の身体論 古典から紐解く形体 浅川要 東洋学術出版社 2022年
改訂版 いちばんわかる 東洋医学のきほん帳 伊藤剛著 Gakken 2024年
2025年10月30日木曜日
経絡治療
やさしい鍼治療 臨床70年。「効く」への道しるべ 首藤傳明著 医道の日本社 2024年
「証を決めるとは五臓六腑のうち、どの臓腑経絡が病んでいるのか(虚実)を見つけ出すことです。陰陽のうち陰に焦点を当てましょう。肝臓肝経が弱っている(虚している)のを肝虚証と名づけます。主証は他に、肺虚証、脾虚証、腎虚証と計4種あります。すべての病、症状をどれかに当てはめる、多くの病を四つに分ける。全く無茶ですが、実用的です。」 47ページ
日本の伝統鍼灸というと経絡治療を指すことが多いと思います。
経絡治療自体は昭和初期に生まれたものです。
古典医学(素問・霊枢・難経など)をシンプルに体系化(六部定位脈診+難経六十九難による選穴+浅刺による補寫)したものといわれます。
シンプルで浅刺を中心としたやさしい鍼灸…とても日本的ですね。
創出の過程を調べるとさらに日本的な要素がみえて来ます。
〇古典医学の中には江戸期の日本の文献も含まれていた
〇八木下勝之助翁からの学び
〇全国の江戸時代からの伝統を引き継いだ臨床を行っているという評判の人物のもとを訪ね歩いた
〇小児鍼からの影響
日本人に合った治療を行うには、日本で発達した鍼灸を学ばなければならないという意図があったようです。
もしあの時代に経絡治療が生み出されていなければ、今の日本の鍼灸は大きく衰退していたかもしれません。
今よりも遥かに情報も少ない昭和の大変な時代に創出され、またそれを現在まで受け継ぎ発展させ伝えてくださっている先生方に感謝します。
「年季が入ると指がそこへ行く、指の行きつくところがツボだったということになります。」99ページ
臨床70年の先生の道しるべはありがたいですね…。
参考文献
岡部素道の鍼灸治療 周防一平著
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kampomed/66/2/66_147/_pdf
よくわかる経絡治療講義 大上勝行著 池田政一監修 医道の日本社 2014年
実践小児はり法 尾崎朋文・山口創・米山榮編集 医歯薬出版株式会社 2012年
2025年10月29日水曜日
2025年10月22日水曜日
日本高血圧学会は高血圧の治療で血圧を下げる際の目標値について75歳以上で、これまでより10mmHg引き下げ、上130mmHg(収縮期)、下80mmHg(拡張期)未満に抑える新たな治療指針を発表したそうです。
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20250725-OYT1T50208/ 読売新聞オンライン
ただ世界的な基準は上150mmHg(収縮期)くらいだそうです。
2025年10月20日月曜日
2025年10月18日土曜日
2025年10月13日月曜日
2025年10月5日日曜日
2025年9月27日土曜日
図説 道教医学 吉元昭治著 勉誠出版 2018年
道教の経典には様々な中国医書が収められているそうです。王羲之(おうぎし)の書でも有名な「黄庭経」の中には鍼灸経穴名と同じ名が出てくるそうです。
「経絡方面から見ると任脈が最も多く、督脈がこれにつぐ。すなわち正経十二経ではなく奇経八脈の穴名が多い事が分かる。こらは何を意味しているのか。任督脈の奇経八脈は道家でも重視していて、この頭から下腹部までつながるルートは内丹術でいう精気神のルートでもあり陰陽昇降のみちでもある。 ~中略~
『黄庭経』と『黄帝内経』が極めて近い関係にあるといえよう。前者が内丹、後者が鍼灸を初めとする中国医学の臨床、基礎の出発点である事を思えば『黄庭経』の中に『黄帝内経』の骨組みがある事をみつけるのもまた容易である。」 191ページ
「『黄庭経』は『黄帝内経』と似ている処があり、後者を下敷きにして、宗教的ヴェールで掩ったものともいえる。」 192ページ
奇経八脈のうち「素問・霊枢」に任脈、督脈、衝脈、帯脈は出てきますが、奇経八脈という名称と八脈すべてが登場するのは「難経」からでしょうか。ただ個人的には「難経」に書かれている経絡が溢れた時の放水路という説明はいまいちしっくり来ません。
奇経治療に使う八総穴は、これを伝えた金元時代の竇漢卿(とうかんけい・1196~1280)によると「河南の小室山の隠者が伝えたもの」で竇漢卿は若い頃にその本を貰ったとあります。
本書では、道士または医師で道教に近い人として
岐伯 扁鵲 華佗 皇甫謐 葛洪 陶弘景 孫思邈 王冰
などが取り上げられていました。道教では医術や経絡なども独自の解釈がありそうですが、中国医学と道教の関係は深いですね。
参考文献 現代語訳 奇経八脈考 李時珍著 王羅珍・李鼎校注 東洋学術出版社
2025年9月21日日曜日
2025年9月14日日曜日
経筋(けいきん)あれこれ
線維筋痛症は針灸治療で治せる 西田皓一著 たにぐち書店 2008年
「東洋医学から見ると線維筋痛症の原因は「経筋病」であるので、経絡の考え方特に経筋(東洋医学から見た筋肉学)と、それに若干の東洋医学の「臓腑学」を考えにいれると、これらの症状はすべて説明がつき、十二経筋上の経筋病巣(筋肉の中に出来た病巣)に針灸治療をしてやると症状は消失または軽減する。」 12ページ
経筋は鍼灸の古典である霊枢(経筋篇十三、紀元前200年~紀元後220年頃)に記載されています。手足の末端から始まる縦につらなる筋(筋肉)の流れ(十二本)として示されています。
「霊枢概要」神麹斎(左合昌美)著 ヒューマンワールド には
「そもそも「筋」とは何か。古代医書中にあっては極めて含意が広い。筋腱、肌肉、静脈、神経などがいずれも筋と呼ばれていた。つまり上下に連なる紐ないし帯状の組織の連なりはすべて筋系と言える。」86ページ
筋肉だけを指すのではなく腱、靭帯、血管、神経なども含めた複数の筋の連なり、流れとして捉えていたようです。
そして、この経筋の病に対する治療法として霊枢には「焼き鍼(燔鍼・はんしん)を使い速刺速抜(速い抜き刺し・劫刺・こうし)で効果が出るまで刺す(以知為数)」また「痛をもって輸(兪・ツボ)となす(以痛為輸)」と記載されています。
焼き針(燔鍼・火鍼)は針先を火であぶり熱して刺す方法です。
痛をもって(痛いところ)は自覚的または他覚的(押して痛い)の両方でしょうか。他覚的に痛いところは阿是穴(あぜけつ)とも呼ばれています。
痛みのあるところや、想定される流れのルートから圧痛部(押して痛いところ)を探し鍼やお灸をすえるという方法は鍼灸治療の原点を思わせる方法です。
「霊枢概要」神麹斎(左合昌美)著(ヒューマンワールド)
「経筋の主要な治療手段が燔鍼劫刺であると言っても、経筋治療のはじめからそうであったとは考えにくい。馬王堆脈書において、足臂十一脈では灸というが、陰陽十一脈には実は灸とは指示されていないことを記憶すべきであろう。つまり足臂十一脈が発展して経筋となり、熱療法としての灸を改良して燔針劫刺としたのかも知れない。」86ページ
足臂十一脈と経筋篇は共にすべて四肢末端から体幹に向かうルートになっています(陰陽十一脈は二本のルートが逆方向)。霊枢の中のいくつかの篇にも「「五輸穴」など末端から肘膝に向かうルートや十一本のままのものも残っています。
「改訂版 東洋医学のきほん帳」 伊藤剛著 Gakken
「最近、西洋医学の分野で、マイヤースによる筋筋膜経線(アナトミートレイン)という考え方が提示されています。筋筋膜経線とは、骨格周囲につく筋筋膜により緊張と運動を伝達する張力のひものようなものです。~中略~ そして、驚くことに、この筋筋膜経線で示された筋肉のつながりは、経筋で示されたものとほぼ同じなのです。二千年以上も昔、解剖学も生理学も発達していない時代に、経筋という身体のシステムを発見していたことになります。」 124ページ
アナトミートレイン=経筋かという問題は置いといて、最近はファシアというのも経絡の正体ではと話題になっていました。さらに数年前に騒がれていたトリガーポイントは痛をもってツボとなす(以痛為輸)阿是穴の考えと同じです。
二千年以上前の古代人の知恵が今の発見と少しずつ繋がって来たのでしょうか…。
参考文献 古典から学ぶ経絡の流れ 浅川要著 東洋学術出版社
2025年8月27日水曜日
線維筋痛症の原因はまだよく分かっていませんが、痛みを脊髄から脳に伝える経路(上行性経路)の興奮、さらに脳から脊髄を下り痛みを抑える経路(下行性疼痛抑制機構)に障害が起こることにより、痛みの感度が増幅されてしまう(痛みの中枢性感作)ことが原因と考えられているそうです。
ちなみに鍼灸によるその他の鎮痛メカニズムには、脳からモルヒネ様物質(エンドルフィン、エンケフェリンなど)が分泌されたり(神経伝達物質性疼痛抑制機構)、血管を拡張させ発痛物質の停滞を解消させる…などがあります。
2025年8月23日土曜日
2025年8月17日日曜日
大師流 小児はり
子供を笑顔にする鍼治療 谷岡賢徳著 22世紀アート 2024年
小児鍼は独特な鍼(刺さないハリ)を使い皮膚に軽い刺激を与える治療法で、江戸中期ころに大阪で考案されたといわれます(諸説あり)。大正、昭和中期にかけては主に関西方面で大変に隆盛したようです。
使用される鍼には色々なものがありますが、この大師流では刺絡に使う三稜鍼の先を鈍化させたものを小児鍼として使用されています。
初代は谷岡捨蔵(明海)(安政4年(1857年)~昭和6年)で、著者の谷岡賢徳先生は三代目にあたられるそうです。
「大師流の初代明海は、「突き刺す三稜鍼を、刺さずに、後方に引いた」のである。この発想の転換が、剛鉄を羽毛に変えたのである。さらに、鍼先に中指頭を添えて施術した。」 73ページ
「大師流の小児鍼は、決して弱刺激ではない。むしろ強刺激の部類に入る。羽毛の快感に惑わされてはいけない。」 74ページ
「小児鍼の中でも、1~2を競うほどの強刺激だと思います。だからこそ短時間で、著効がだせるのです。」 234ページ
三稜鍼を使い、羽毛のような心地よい刺激でありながら、短時間で効果がだせるというのが大師流の特徴でしょうか。
「発赤・発汗を目標としている小児鍼は、どちらかと言えば、深部ではなく表面の皮膚に重点的に刺激を与える種類の小児鍼だと思います。だから発赤・発汗しても深部にあまり刺激が残らないため、刺激過敏になりにくいのかもしれません。」 234ページ
一般的な小児鍼では、施術部の発赤・発汗が適量の目安とされています。大師流では主に皮膚の変化(硬い、柔らかい)を基準にされているそうです。
発赤・発汗を目標としている小児鍼は、深部に働きかけづらい面(または時間がかるか?)があるとのことです。ただ、勿論それぞれに良い面もあると思います。
家伝の鍼として伝えられていた貴重な技術を広く公開され伝えて下さるのは本当にありがたいですね。
また、この心地よい刺激で深く働きかけることができるという小児鍼の発想は、浅刺を中心に使う日本鍼灸の一大流派である経絡治療などにも受け継がれているようで興味深いです。
2025年8月10日日曜日
2025年7月30日水曜日
発達障害
発達障害は改善します 宇土博著 ガリバープロダクツ 2018年
「標準 鍼灸治療学」水嶋丈雄著に「まったく新しい経絡を解説されその効果には驚嘆する」と紹介されていたので購入してみました。
「新経絡治療は、脳に関する手足のツボ(経穴)を刺激することによって脳の血流やブドウ糖代謝などを活性化させ、脳神経の微細な損傷や結合回路の機能を調整・修復し、発達障害の全般的な症状を改善するものです。」53ページ
ここで言う経絡治療は昭和初期に生まれた鍼灸流派のことではなく、「経絡を使った治療法」という広い意味のようです。本書では発達障害の説明と症例の紹介を中心に書かれていて、この新経絡治療に関する具体的な説明はあまりありませんでした。
以下、説明の部分からまとめると…
2006年に経絡治療を理論化・統合化して「新経絡治療」を体系化 。
手三里・合谷に2Hzの鍼通電を15分。脳の血流増加とブドウ糖代謝が活発に。
脳に関連する、腎経・膀胱経のエネルギーの流れが詰まり発達障害の症状を引き起こしていると考え、この詰まりを軽減し改善させる。
肺、心包、脾などの詰まりの部位によりツボを選び、ていしん(刺さない鍼)で刺激。
また「標準 鍼灸治療学」水嶋丈雄著には、
主経絡の井穴か原穴に皮内鍼を入れ連絡している経絡上の指をくるくる回すのが特徴
2025年7月18日金曜日
2025年6月28日土曜日
2025年6月21日土曜日
2025年6月13日金曜日
日本伝統鍼灸学会
2025年6月7日土曜日
2025年5月28日水曜日
生きて働いているツボ
要穴の臨床取穴法 漢方鍼医会 平成24年
DVD付きの本です。
「実際に生きて働いているツボ」を取穴する方法などについて紹介されています。
要穴(五行穴・原穴・絡穴・郄穴)は、古典(十四経発揮 元代の1341年に滑寿(字は伯仁)が記したとされる医書)と現代(WHO、WPRO)の部位表記、さらに臨床取穴・実践として会で蓄積された内容などの解説があり、十二正経の流注については霊枢・経脈編(前漢~後漢の頃 紀元前200年頃~220年頃)と十四経発揮の両方から、またその現代語訳が掲載されています。
古典と現代のものが併記してあるので理解しやすくなりますね。
取穴部位の説明では、例えば爪の角にある井穴(せいけつ)について、鍼灸学校の教科書では「爪甲根部の角を去ること1分」と書かれていましたが、解剖学としては爪甲と爪根(皮膚に隠れた部分で幅が狭くなっている)となるそうです。
そして爪甲角から外方でなく、隠れた爪根部の角から柔らかい部分を探し取穴する…等々、興味深い内容が纏められていました。
2025年4月19日土曜日
2025年4月2日水曜日
2025年3月26日水曜日
2025年3月13日木曜日
2025年3月5日水曜日
2025年1月31日金曜日
感情
やさしい鍼を打つための本 中根一著 医道の日本社 2013年
「東洋医学が内因論を基礎としている理由や、多少の乱れがあっても必ず安定的に自律する陰陽消長を基本概念に据えていること、心だけがポジティブな五志である理由や、刺鍼の「刺」という意味が「チクリとする」という感覚を示しているということ、脈を診る理由や脈を整える理由、そして心身一如である理由も、ようやく見えてきましたね?」56ページ
中国医学では病気になる原因を、外因(気候など環境の影響や感染症)内因(感情)その他の不内外因(飲食、運動、睡眠など日常生活と不測の傷害)の三因から生まれると捉えています。
この考え方は儒教の経典である「周礼」(しゅうらい・前8~11世紀・諸説あり)から中国医学の原点といわれる「黄帝内経」(こうていだいけい・前2から5世紀)に引き継がれ発展し、宗代の「三因極一病証方論」(1174年)で三因論が唱えられました。
内因の感情は七情(怒・喜・思・悲・憂・恐・驚)とされ、臓腑の五行との関係から五志(怒 肝・喜 心・思 脾・憂 肺・恐 腎)に分類されています。人に五蔵(心・肝・牌・肺・腎)有りて、五気(五蔵の気)と化し、以て喜怒悲憂恐(の精神活動)を生ず。
喜怒(などの喜怒悲憂恐の五種類の精神活動)は気を傷り、寒暑(などの寒暑燥湿風の気侯)は形(形体)を傷る。
暴(過度の)怒は陰を傷り、暴(過度の)喜は陽を傷る。
厥氣(逆行する気)が上行し脈(経脈)を満たし(充満し塞ぎ)形(肉体)を去る(離脱する)。
喜怒(などの喜怒悲憂恐の五種類の精神活動)が節制されず、寒暑(などの寒暑燥湿風の気侯)が度を過ぎれば、生(生命)は乃ち固からず(守られない)。
重陰(陰が極まること)は転化して必ず陽となり、重陽(陽が極まること)は転化して必ず陰となる。
本書では経絡治療で心虚証の無い理由を、五志の中で心は喜という唯一ポジティブな感情であること考え説明されています。また脈診については、海外の心理学者による研究結果と合わせて解説されていました。
参考文献
いちばんわかる!東洋医学のきほん帳 改訂版 伊藤剛著 Gakken 2024年
黄帝内経素問序説 西村甲編著 三和書籍 2021年