2023年1月8日日曜日

螺旋の腕

螺旋の腕 土取利行著 筑摩書房 1988年 


34年前に出版された本です。神社の太鼓演奏から始まり、ジャズ、フリージャズ、フリーインプロビゼーションから、さらにピーターブルックの演劇活動に参加されて、アフリカ、トルコ、インド、ネパール、スリランカ、インドネシア…と旅をしながら各地の民族音楽を学ばれ、そして日本に戻り銅鐸やサヌカイトの演奏をされるまでのエッセイです。


「わたしは小学生の頃から音楽がとても好きだったが、学校では西洋音楽しか教えられず、日本音楽にふれるにはほど遠い環境で、せいぜいハーモニカやプラスチックのたて笛などが子供たちに与えられる楽器であった。演奏することが好きだったったわたしにとって、秋祭りにそれとは比べものにならないりっぱな和太鼓が叩けた時の喜びははかりしれなかった。実際、この祭りの体験は学校で教えられたどんな音楽よりも心に深く残っているし、自分の音楽に影響していると思う。世界各地をさまよっては活きた音楽を探し求めてきた行為も、日本ではすでに失われつつある、いや失われてしまったのかもしれない、子供時代の祭りの体験に根差しているともいえる。」 243ページ


現代において科学的な鍼灸の研究はいろいろな面で非常に大切です。また現代中医学もいろいろ問題はありますが興味深いです。さらに中国大陸から伝わった古典の研究も貴重です。

しかしまずは失いつつある日本の伝統鍼灸を基本にして欲しいです…。