2023年9月26日火曜日

杉山和一(すぎやまわいち) 杉山流(杉山真伝流)③


日本鍼灸の極意 管鍼法 北川毅著 大浦慈観監修 2022年 BABジャパン


杉山和一は江戸初期の伊勢国で生まれ(1610年)、幼少期に視力を失います。江戸に出て入江流(いりえりゅう)の鍼医・山瀬琢一(やませたくいち)に学び(3年学んだ後に挫折、江の島弁財天で断食修行、再び5年間学ぶ)、さらに京都へ出て入江流三代目の入江豊明に7年間学びます。その後の3年間も京に滞在し、他の流派や人物からも学んでいたようです。

この後、江戸に戻り開業し、私塾を開いて弟子にその技術を伝えました。

1670年に盲人の最高位の役職である検校(けんぎょう)となります。
1680年には四代将軍、徳川家綱の治療にあたり、五代将軍・綱吉の侍医となりました。
1682年、和一の私塾は「鍼治学問所」として徳川幕府から認定を受けます。
1692年、徳川綱吉から検校の最高位である総検校に任命され、その2年後の1694年、85歳で亡くなりました。

杉山流は、二代目である三島安一(みしまやすいち)の時代に関東から全国に広まり、三代目の島浦和田一(しまうらわだいち)は和一と安一の元で流儀書「杉山真伝流」を完成させました。

                    (以上、本書をもとにまとめました。)

2019年、江の島の江島神社本殿裏の倉庫に、行方不明であった杉山和一本人が作らせた木像が保管されていたことが分かったそうです。  130、131ページ

タウンニュース 杉山和一像 見つかる

本書の題名にある「管鍼法(かんしんほう)」については次回に…。