2023年4月23日日曜日

インド医学


図説マルマ 
ヨーガとアーユルヴェーダをつなぐインド秘伝の身体論 伊藤武著 2021年 めるくまーる


マルマとは古代インドの人たちが発見したいわゆるツボ(急所)に近いものです。

本書によると現在、このマルマの知識と技術を伝えているのはスシュルタ医学(古代の外科)にもとづく医療を行うインド南部ケーララ州のカラリパヤット(インド伝統武術)の医師と、同じくインド南部タミル地方のシッダ医学(錬金術的なインド伝統医学)にもとづくシッダ医師のみだそうです。

アーユルヴェーダ医(インド伝統医学)は高カーストで立場上、低カーストのカラリパヤットの医師からは学ぶことができないそうです。またシッダ医師は秘密主義から伝えていないようです。

マルマは中国の経穴と同じ位置のものも多く、また説明が一致するものもあり、指幅で位置を示す方法も同じとのことです。

このマルマに限らず、インド医学と中国の伝統医学には共通する、あるいは考え方に近いものが多いように思います。ただ中国側は勿論、日本の東洋医学史関係の著名な先生方もインド医学からの影響は否定されているようです。

インドから医学の知識が中国大陸辺境にあった様々な国々へ伝播したり、あるいはお互いに影響を与えたりという可能性は本当に無かったのでしょうか…。