杉山流三部書 杉山流(杉山真伝流)⑤
杉山和一の残した書に「療治之大概集」「選鍼三要集」「医学節用集」の三書よりなる杉山流三部書と呼ばれるものがあります。
その成立に関して不明な部分も多かったようですが…
「療治之大概集」は和一が京で学んだ砭寿軒圭菴(へんじゅけいあん)の著書「鍼灸大和文」とほぼ同じ内容。「鍼灸聚英」(高武著)の影響がみられる。
「選鍼三要集」は三要「素問・霊枢・難経」さらに「類経・類経図翼」(張介賓編・全体の 3 分の 2も )などから和一自身が編集したもので、入江流の先生の口述内容や和一の考えなども含まれている。
「医学節用集」は和一の死後に弟子の三島安一が和一の講義録を編集したもの。「赤水玄珠(せきすいげんしゅ)」(孫一奎著)「医経溯洄集(いけいそかいしゅう)」(王履著)の影響がみられる。
などが解ってきたようです。
参考文献
〇日本医史学雑誌 第 55 巻第 2 号(2009)『杉山流三部書』の成立経過について 大浦宏勝、市川友理