科学的な鍼灸
情報コーディネート鍼灸 宮村健二著 ヒューマンワールド 2012年
「情報コーディネート鍼灸」は鍼灸の古典にある「気の調和」を「ホメオスタシスの賦活」「補虚瀉実」を「需給一致の情報発信」と現代の言葉に置き換え、科学的視点から作られた鍼灸治療法のようです。
「情報コーディネート鍼灸」は鍼灸の古典にある「気の調和」を「ホメオスタシスの賦活」「補虚瀉実」を「需給一致の情報発信」と現代の言葉に置き換え、科学的視点から作られた鍼灸治療法のようです。
「鍼による穿刺はイコール破壊であり、破壊はイコール侵害です。 ~中略~ それでは鍼をすると炎症が起きるかというと、むしろ鍼は既存の炎症を治癒に導く消炎作用があるとされています。」 69ページ
「鍼が起炎でなく消炎に働くのは、鍼による組織破壊がきわめて小さく、したがって破壊された組織から発生するケミカルメディエーターの量が大変少ないことによると考えられています。すなわち、ロイコトリエン以外の起炎的ケミカルメディエーターが少ない条件下で、ロイコトリエンの白血球誘引作用を引き出すことができるところに、鍼の消炎作用の妙があります。これは同じ薬物が少量ならば薬となり、大量ならば毒となるという薬と毒の関係に似ています。」 69ページ
鍼によるきわめて小さな破壊により(刺鍼部の炎症は大変少ないまま)白血球を誘引して患部の炎症を取り除くことができるというメカニズムが働いているそうです。
ポリモーダル受容器は神経終末にある受容器です。難経六十九難に代表される電話機を選択するルールー(ツボの選択)よりも、神経を刺激する刺鍼手技の仕方を重視しているということでしょうか。
以下は本書のなかで引用されている、西條一止先生と原志免太郎先生の研究の情報からまとめです。
〇西條一止先生 「座位・臥位・吸・呼・深い刺激・浅い刺激」8通りの組み合わのうち(座・呼・浅)は副交感神経と交感神経が同時に高まり働きながら、自律神経緊張バランスを副交感神経側へシフトしつつ、自律神経全体の機能を高める。
〇原志免太郎先生 動物と人の実験で10点7壮のお灸を6週間おこなうと、中止後の13週間 白血球が増え、6週間の施灸中は血色素や赤血球に著明な影響がなかったが、6週間後、血色素や赤血球が徐々に増加、8週目に最高値になり血色素16%内外、赤血球50万ないし100万個の増加、人体で2か月ほどの長期間持続した。古来灸は焼くときよりも後になり効果が現れるという伝説に一致した。
お灸を続けている間(6週間)は変化がなく、中止後から血液の変化が現れる現象は興味深いですね。