経絡治療
やさしい鍼治療 臨床70年。「効く」への道しるべ 首藤傳明著 医道の日本社 2024年
「証を決めるとは五臓六腑のうち、どの臓腑経絡が病んでいるのか(虚実)を見つけ出すことです。陰陽のうち陰に焦点を当てましょう。肝臓肝経が弱っている(虚している)のを肝虚証と名づけます。主証は他に、肺虚証、脾虚証、腎虚証と計4種あります。すべての病、症状をどれかに当てはめる、多くの病を四つに分ける。全く無茶ですが、実用的です。」 47ページ
日本の伝統鍼灸というと経絡治療を指すことが多いと思います。
経絡治療自体は昭和初期に生まれたものです。
古典医学(素問・霊枢・難経など)をシンプルに体系化(六部定位脈診+難経六十九難による選穴+浅刺による補寫)したものといわれます。
シンプルで浅刺を中心としたやさしい鍼灸…とても日本的ですね。
創出の過程を調べるとさらに日本的な要素がみえて来ます。
〇古典医学の中には江戸期の日本の文献も含まれていた
〇八木下勝之助翁からの学び
〇全国の江戸時代からの伝統を引き継いだ臨床を行っているという評判の人物のもとを訪ね歩いた
〇小児鍼からの影響
日本人に合った治療を行うには、日本で発達した鍼灸を学ばなければならないという意図があったようです。
もしあの時代に経絡治療が生み出されていなければ、今の日本の鍼灸は大きく衰退していたかもしれません。
今よりも遥かに情報も少ない昭和の大変な時代に創出され、またそれを現在まで受け継ぎ発展させ伝えてくださっている先生方に感謝します。
「年季が入ると指がそこへ行く、指の行きつくところがツボだったということになります。」99ページ
臨床70年の先生の道しるべはありがたいですね…。
参考文献
岡部素道の鍼灸治療 周防一平著
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kampomed/66/2/66_147/_pdf
よくわかる経絡治療講義 大上勝行著 池田政一監修 医道の日本社 2014年
実践小児はり法 尾崎朋文・山口創・米山榮編集 医歯薬出版株式会社 2012年